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執筆者の写真daisuke tanaka

桜の樹の下にて。

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水の音に誘われて、

揺れる光に戸惑いながら歩いた。


その幹はうねり、ごつごつとしていて

腕や太腿のように血が通っている。


細い枝々が川に向かって伸びてゆく寒空


揺れる水面と傾いだ半月が、青白く響く夜道で

僕は、大切な詩人のことを想っていた。


男は唄を唄い、湯気は寂れた壁に吸い込まれて

少しだけくすんだ蒼穹の空がみえた。


昨夜は彼の命日だった。


桜の樹の下にて。 

Kの昇天、或はKの溺死に捧ぐ。



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