top of page
検索
daisuke tanaka
2022年10月19日読了時間: 3分
そのあと
よく行った海に3年振りに向かった。 砂浜は3年前よりも熱くて、隣にいた人の微笑みに安心しながら、 生ぬるい海に潜って眼を開いて泳ぐ。光の粒子がゆらゆら揺れて変わり続けている。 仰向けに浮かぶと、かすれた青空に鳥の声や父子の歓声が近付いては消えていく。...
閲覧数:78回0件のコメント
daisuke tanaka
2022年3月19日読了時間: 1分
新しい海
波の向こうにはっきりと紅い陽が落ちていく。 辺り一面が徐々に暗くなっていくに連れて、胸が落ち着きながらざわめいた。 目の前の景色はまだ落ち切らないままにある。 柵を越えて岩場に降りて、砕ける波に近付きながら岩場に座った。...
閲覧数:62回0件のコメント
daisuke tanaka
2022年1月15日読了時間: 1分
みえない白線
駅前のベンチでアイスクリームを食べる父と娘。 親子を交互に見つめながら、僕はアイスクリームを運んだ。 93歳の誕生日を迎えた白髪の女性は、浴槽に浸かりながら 遠い目から急に僕を見つめて、「あっという間だから。。好きなことやらないと、...
閲覧数:69回0件のコメント
daisuke tanaka
2021年5月6日読了時間: 1分
夜道
真夜中に 雨の音しか聞こえない 象のことを思い出す 声はどこかに眠っている 遠い国の光や 眩しかった海や 思い出せない 戻ってこない色たちを抱えている 数々の温もりと冷たさ 優しさと怖さ 見えない深さは、真夜中に行き先を求めない...
閲覧数:95回0件のコメント
daisuke tanaka
2021年1月10日読了時間: 1分
出発。
2020年、12月。 仄かなオレンジの灯だけで閉まったカーテンの向こうから、不規則な白い光が通り過ぎていく。密かな話し声と寝息と、エンジンとタイヤの音が揺れている。 僕は、敬愛する友人の作品に会いに行った。 白い布をくぐると瞬間、入ることを躊躇う時間がそこに在った。...
閲覧数:44回0件のコメント
daisuke tanaka
2020年3月17日読了時間: 2分
燻された日
友人と2人で焚き火をした。 細い枝が少しずつ灰になり、小さい炎が僕達の真ん中で揺れては光り、 すぐ傍では滝の音が流れ続けた。 一本の骨がゆっくりと色を変えながら燃えていく。 光がほとんど失くなりかける度に、友人が細く優しい息を吹きかけると...
閲覧数:83回0件のコメント
daisuke tanaka
2018年12月1日読了時間: 2分
引っ越しの夢。
2018 12.1 引っ越しの夢で目が覚めた。 夢の中では、僕が今まで一人暮らしをしてきた家々の風景が、 ひとつの空間に存在していた。 その場所は、何故か今働いている施設の場所にある。 どうやら僕は、すごく懐かしい感覚と共に、 その家に荷物を取りに戻る用事があったようで、...
閲覧数:116回0件のコメント
daisuke tanaka
2018年10月27日読了時間: 2分
小田原にて。
2018 10 26 海をみた。 小石が波にさらわれて、ゴウ、ゴウ、という地鳴りと共に 眼の前の海は 繰り返し、おおきくおおきく揺れていた。 黒い石を真っ白な波が、引き連れては洗い流して消えていく 波の響きと風の中で、新潟を思い出していた。...
閲覧数:80回0件のコメント
daisuke tanaka
2018年6月9日読了時間: 1分
EACH LITTLE THINGから 物語の森へ
空っぽの写真たち。 昨日、訪れたギャラリーで耳にしたこの言葉にはっとした。 空っぽというのは、何もないというわけではない。 沈黙が、無ではないように。 空っぽのまま存在してしまうというのは、ある意味、澄み切っているのだ。...
閲覧数:132回0件のコメント
daisuke tanaka
2018年6月5日読了時間: 2分
巡り合い
去年の夏、銀座で初めての大きな個展を開いた時に一人の木彫り作家の方と出会った。 名前はクロヌマタカトシさん。 ポツリ、ポツリと大切に言葉を交わした時間と、彼が僕の写真や映像を見てくれていた 佇まいや、初めて交わした気配のようなものを今でもよく覚えている。...
閲覧数:141回0件のコメント
daisuke tanaka
2018年4月5日読了時間: 1分
母と月
どこかで見たことのある眼だと思った。 電車の音が何度か過ぎ去り、僕は聴こえるように 囁きながら、その子を見つめた。 夕暮れの中で、ピントが近づいては遠のきながら、 おぼろげな像を結んでそこに在った。 帰り道、いくらかの母親が子供と共に夜空を指差して 満月に近い月を眺めていた。
閲覧数:129回0件のコメント
daisuke tanaka
2018年3月25日読了時間: 1分
桜の樹の下にて。
3/24 水の音に誘われて、 揺れる光に戸惑いながら歩いた。 その幹はうねり、ごつごつとしていて 腕や太腿のように血が通っている。 細い枝々が川に向かって伸びてゆく寒空 揺れる水面と傾いだ半月が、青白く響く夜道で 僕は、大切な詩人のことを想っていた。...
閲覧数:82回0件のコメント
daisuke tanaka
2018年1月11日読了時間: 1分
「一本の樹」
新しい場所からは、一本の樹が見える。 それはとても大きくて、建物よりも高い。 今は、すっかり葉っぱも無くなってしまったけれど、 変わらず、木陰が揺れている。 去年のある日、毎日枯れ葉を掃除しているおじいさんに尋ねた。 「この木って古い木なんですか?」...
閲覧数:69回0件のコメント
bottom of page